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大阪市立大学に視察にいってきました。

政務活動2012年02月29日

去る2月21日、我が会派の片山議員、岡崎議員、出雲議員、飯田議員が、大阪市立大学へ視察にいってまいりました。

 

 

 

▽調査対象内容

①予算関連
人工光合成研究開発拠点整備事業に対する予算(約5.2億円)の必要性・妥当性の調査

②全般調査
大阪市立大学全般に関する調査として、大阪府立大学との統合に関する問題点

 

 

▽調査報告

①予算関連

とくに人工光合成拠点整備事業に関連して調査した。

●どのような資金提供内容か?
人工光合成拠点整備事業に約5.2億円。地上3階建て、鉄筋コンクリート造りの新研究棟(建築面積約500㎡・延床面積1,500㎡)を1年かけて建設する。

●大阪市(大阪市民)にとってリターンはあるのか?
結論、リターンは見えにくい。仮に成功したならば、エネルギー革命ともいうべき事業である。単一の民間企業では投資できない部分を行政が投資し、研究経費は共同研究企業負担や国のプロジェクト研究費の獲得でまかなうとのことである。共同研究の成果が製品化に結びつけば、すそ野の広い産業分野への波及効果による経済活性化、雇用の創出など大阪の成長に結びつくことが大いに期待されるとのことである。
しかし、大阪市民にとって、そのリターンは、雇用の拡大や大阪経済の活性化につながるという程度で、見えにくいものである。成功しない場合のリスクを大阪市民が負担すべきなのかどうか不明である。リスクはリターンを多く得るものが負担すべきである。

●人工光合成研究は有望か?
今回の研究は、二酸化炭素(CO2)と水と太陽光から、アルコール系燃料を造るというもの。成功すれば世界的なエネルギーの課題を解決できるほどの研究である。
有望かどうかは、はっきり確証は持てないが、担当している教授たちの熱意を強く感じた。実績のある研究者を集めてきたり、研究生を含めて50人単位の研究体制を取っており、すでに研究もしっかりはじめているようである。共同研究企業との交渉も活発に進め、近々共同研究契約締結にいたる企業もあるとのこと。
経過的な成功として、2015年中に汚泥からエネルギー取り出すことを目指している。これができるかどうかが、将来への試金石となるとのことである。

●今回の投資内容
今回の資金提供は、新研究棟を作る工事代であって、プラットフォーム整備ともいえる。
この新研究棟をつくれば、民間団体3~6社と共同研究のために入居してもらい。1社当たり2~3人の研究員の派遣と、3年で1億円の資金提供をしてもらう。
研究の範囲内であれば、プラットフォーム整備はすべきである。
なお、高度分析装置(約3億円)については、企業との共同研究の推進に必須のものであり、研究棟とこの分析機器の整備について債務負担を議決したことが、企業の魅力となっており産学連携による人工光合成研究を加速させるものとのことである。

●国立大学や私立大学との違い
大阪市立大学のような公立大学は、現行法上、設置団体(大阪市)以外から長期借入ができず、国立大学や私立大学のように、独自に資金調達はできない。したがって、市大は資金調達のために、大阪市に提供求める以外方法がないのである。
独立といいながら、長期借入ができないなどの公立大学の制約を解消し、独自に資金調達できる方策が講じられるべきである。

 

②全般調査

●大阪市立大学と大阪府立大学との統合について
有益な点と問題点を聞いた。
確かに、市大と府大の研究領域は補完的な関係にあって、重複している部分は比較的少ないので、連携だけでは取り組めないものが統合によって有益な部分も出てくると思われる。
さらに、統合するとした場合、たとえば持ち株会社のように、単に組織を統合するケースもあれば、学部整理など本格的な融合というような場合もある。
本格的な融合の場合、堺キャンパスなどを廃止して、杉本町キャンパスに統合することの可能性を質問したが、その場合は、キャパシティーなど杉本町キャンパスにかなりのインフラ投資が必要であるとの問題点を聞いた。