お知らせ・活動報告お知らせ・活動報告

お知らせ・活動報告

大阪市教育基本条例案を提出いたしました。

議会活動2011年10月03日

先日9月30日、大阪維新の会大阪市会議員団は大阪市教育基本条例案を上程いたしました。

 

(結果は公明・自民・OSAKAみらい・共産により否決)

条例案はこちら

大阪市教育基本条例案.pdf

 

(提案趣旨説明を行う辻淳子議員)

 

本条例案の目的・特徴は以下の通りです。

 

一、 教育委員会が全てを決定するのではなく、時代が求める教育の実現を目指しています。その方向性は3つあります。

 

① 「時代が求める教育」を判断するのは何の責任も負わない教育委員会ではなく、選挙で選ばれた首長が民意を反映してその方向性を判断する、ということです。首長がその判断を誤れば、リコールもありますし、何よりも選挙で当選することができません。

教育委員会といえども、その方向性には従わなければならない、としました。

 

② 民意を反映させるためには、議会の「関与」が必要です。これまでの議会は教育委員会の独立性に拒まれ、文句を言うだけの役割しか果たせませんでした。この議会の「関与」こそが、議会を利益団体の代表議会ではなく、民意を適格に反映させる議会に変える役割を担うことになる、と考えます。

 

③ 保護者や周辺地域住民、何よりも小・中一貫教育を実現し、地域に愛され、信頼される教育を目指し、学校運営協議会を設け、地域事情に合った学校づくりを実現します。

 

 

二、 関係者・保護者・地域住民に適切な、また、希望にかなう学校づくりに、積極的にかかわっていただくためにそれぞれに義務を課した、ということです。

 

① 学校関係者には、自己の崇高な使命を深く自覚するとともに、組織の一員という自覚をもち、教育委員会のみならず、首長の経営指針にも服さなければなりません。

 

② 保護者は、より良い教育の実現に貢献するよう努めなければならず、学校関係者への不当な態様による要求等は禁止し、子供には社会常識・基本的生活習慣を身に付けさせる義務を負います。

 

③ 周辺地域住民は、部活動を初めとする学校運営に主体的に関わる義務を負い、学校関係者への不当な態様による要求等は禁止します。

 

 

三、 保護者に我が子の教育に責任を付与する以上、学校選択制を導入しました。教育にも「自由」が求められます。

 

① 「勉強は嫌いだけれども、スポーツでは負けない」「習字や絵画・歌に秀でている」「ものづくりに対する発想や器用さでは負けない」「人への思いやりや優しさ、心のぬくもりが人一倍強い」など、子供にあった教育を保護者が責任者として判断することができる仕組みづくりが可能となるシステムづくりができます。

 

 

四、 以上のことが可能となる、校長・副校長の準特別職については公募制を取り入れました。

 

① 学校長にはその学校のマネジメントをしていただき、学校運営の責任を負っていただきます。

そのために、校長には一定の人事権と予算請求権を付与します。

 

② 現職教員も、年功序列ではなく、志のある教職員であれば若年でも公募して校長になることができますし、広く、研究者・経済人・公務員など、人材を求め、児童・生徒の健全育成に貢献していただきます。

 

 

五、 教員等は人間形成にかかわり、人を育成する、という大切な任務をはたしていただくため、懲戒・分限処分をはっきりさせました。

 

① 刑事罰にあたる行為をした教員等は教壇にたつことができないのは当然として、集団生活を指導しなければならない教員等が自らが組織の一員であることを忘れ、単独行動をとってみたり、生徒にとって迷惑となる指導力不足教員等は教壇から離れていただきます。

 

② 高等学校や幼稚園などで公立でなくても私立で運営が可能な教育機関は自由を求めて私学化を進めるべきですが、そのときには、公務員としての身分を離れ、教壇に立ち続けていただくための分限制度を設けました。

 

③ 意欲のある教員などで実績を残せば給与やボーナスが昇給しますが、そうではない教員等には降任もあり得ます。信賞必罰をはっきりさせました。

 

総じて、日本の教育行政は、文部官僚・教育官僚が、教育委員会制度を盾に、また、解釈を誤った政治的中立性をかざして、民意を排除し、最も教職員の管理が容易で教職員にゆとりを与える「ゆとり教育」などという間違った教育方針で教育をゆがめてきたために、日本の人づくりは崩壊してきました。我々大阪維新の会は教育を文部官僚・教育官僚の手から国民の手に取り戻すべく大阪市教育基本条例を提案いたします。

 

教育は人間形成にかかわる大切な行政サービスです。のみならず、世界の競争に打ち勝つ人材育成の場でもあります。資源のない日本が、特に大阪が世界で生き残るためには唯一の資源である人材育成が不可欠です。世界の動向を考え教育の方向性を決定するのは、国民に対して責任を負わない文部官僚・教育官僚ではなく、責任を問われる政治がその重責を負うべきです。

教育基本法・学校教育法・地方教育行政組織法は政治家が集う国会で、政治家がその内容を決めました。我々地方議会の議員も逃げることなく教育基本条例を設定すべく大阪市教育基本条例案を提案いたしました。

 

また、さらに、賛成の立場から討論も行いました。

(賛成討論を行う今井アツシ議員)

 

公立学校の現状は非常に厳しいものがあります。成績上位層は中学受験で私学へ流れ、公立中学は総体的に学力が低下している現状があります。地域によっては家庭環境が厳しく、きちんとしつけがされていない子どもたちが集まるような学校もあり、地域間格差も顕著に見られる現状があります。

 

公立学校の教育水準を引き上げ、全ての子どもたちが質の高い教育を受けられる体制を構築していくことは、本市の将来の発展、日本の発展にとって極めて重要であります。

 

こういった公立学校を取り巻く現状を打破すべく、教育基本条例案は趣旨説明にもございましたように、大きく5つの目的をもって作られました。

 

一つ目は時代が求める教育の実現です。これまでは政治的中立の名のもとに教育委員会が全てを決定し、情報をブラックボックスに隠し、学力テスト等のデータも公表せず、市民に対して十分な情報公開を行なってきませんでした。首長や議会が関与し、責任をもって民意をくみ取った教育の方向性を判断することによって、時代が求める教育を実現していく体制を作っていくことは公立学校の教育水準を引き上げていくためにも必要不可欠であると考えます。

 

二つ目は関係者・保護者・地域住民に適切な、また、希望にかなう学校づくりに積極的に関わっていただくことです。そのために、努力義務を明文化することは、教育に対しては、全ての人が責任を負って子どもたちの夢の実現、将来の本市の発展、日本の発展に努めていく社会的機運を高めていくためにも重要なことだと考えております。

 

三つ目は、学校選択制の導入による子どもの特性にあった教育を保護者が責任者として判断することができるシステムづくりです。子ども一人一人に得手不得手があります。その特性を一番近い存在である保護者が見極め、ふさわしい学校を選択していくことによって、学校教育に対する保護者の積極的関与と子どもの能力を最大限に伸ばしていく教育を目指すことができるようになると考えます。

 

四つ目は、校長・副校長の準特別職についての公募制の取り入れです。

教育委員会の施策を上意下達的に現場に下ろすのではなく、学校の経営者として、組織マネジメントに努められるように、一定の人事権と予算請求権を付与し、また、若い教員や民間の優れた人材にチャレンジしていただく仕組みを作ることは、伝統主義に凝り固まったこれまでの教育が抱えてきた閉塞感を打破し、新しい時代に対応した教育を展開していくための鍵になります。

 

五つ目は、教員等に対する信賞必罰の明確化です。

今年度に入ってからも教員等の起こす不祥事は絶えません。4月には教育センター主事のわいせつ行為。6月には高等学校事務長によるPTA会費の横領。7月には小学校教諭による痴漢行為と酒気帯び運転。8月には中学校教諭による窃盗未遂事件。9月には小学校臨時講師による12歳の少女への強制わいせつ。高等学校教諭による体罰事件。

報道発表資料だけでも、4月から毎月のように処分の報告が出ています。学校現場に関わる教員等は子どもたちの手本であるべきです。教える側が社会規範を逸脱する行為、ましてや明らかな犯罪行為を行うことは公立学校に対する保護者、そして子どもたちの不信感を招き、子どもたちの健全育成を妨げます。信賞必罰を明確にすることによって、頑張っている多くの教員等のモチベーションを向上させるとともに、子どもたちの手本であるべきだという意識を喚起させるためにも必要な手立てではないでしょうか。

 

教育基本条例の五つの大きな目的を鑑みまして、今の本市の教育をよりよいものに変えていくために必要不可欠であると考えます。